具体的な栄養療法について

栄養療法、もしくは分子整合栄養医学、オーソモレキュラー療法は、栄養素の積極投与によって体内の分子バランスを整え、体調を改善する治療法です。栄養療法のうち手頃なものには、血液検査をしてサプリメントの処方を受けるというものがあります。血液検査によって体内分子の過不足を調べ、その解析結果に基づいてサプリメントが処方されるのです。処方されるサプリメントの栄養素量は一般的な量に比べると多く含まれています。栄養素を大量に投与するということが栄養療法の特徴なのです。もう少し手順の多いものであれば、血液検査に加え腸内検査やフードアレルギー検査を行います。検査結果によって問題点を探し、食事や生活改善、サプリメント療法を施します。また問題が残った場合も点滴などの治療を追加するのです。これら治療によって病院では原因不明とされる体調不良の解消やアトピーなどの肌質改善が期待できるといわれています。また栄養状態が良くなるため美肌効果も得られるでしょう。

また精神科でも栄養療法は使用されています。よく知られているのが、統合失調症のナイアシン治療です。統合失調症は幻覚や妄想を伴う精神病の一種です。ナイアシン欠乏症であるペラグラという疾患が、同じく幻覚や妄想の症状を持つことから関連が指摘されるようになり、統合失調症にもナイアシンの投与が開始されました。ちなみにナイアシンとはエネルギー代謝に関わるビタミンB群です。日本人の食事摂取基準2015では、20代男性の場合1日15mgが目安とされているナイアシンを1000mg単位で投与することによって統合失調症の症状は緩和されると紹介されています。